中小~中堅の製造業が勝ち残るには

今回は中小企業が勝ち残るための方向性や考え方を書いてみたいと思います。

中小企業は成長のための準備ステージ!

中小企業 = 弱者、低成長、助成金頼み、不安定、個人事業・・・

だいたいこんなイメージがありますよね。このイメージに近いままで良く、気ままに経営したい方は読んでおられないと思います。
中小企業は縮小安定なんてことではなく、成長や安定の途にあると考えるべきです。なので、大企業やIPOを目指さなくても、過剰な国や自治体の支援に頼らない自立した経営の形を描いて目指すことが重要です。

労働生産性を徹底して最大化することが必須

自立するための最重要指標の一つは労働生産性で、定義はこれです。

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一人あたりの付加価値が労働生産性で、これを上げるということは「効率よく売上利益を上げて、その分を投資して成長に繋げましょう」ということです。

「生産性を上げる=コストダウン」は間違いです。

単純に、価値を上げて価値が低い業務を削って価値の高い業務に人を移す、ということをするのです。

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このあたりの考え方は外食や小売りの方が進んでいますね。外食では、労働生産性とほぼ同じ考え方の「人時生産性(粗利÷労働時間)」が当たり前のように使われています。アルバイトなどの稼働の調整が経営上非常に重要だからです。余談ですが、製造業が他業種から学べることは数多あります。

ちなみに、中小企業と大企業の生産性を比べるとこんな感じです。

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さらにアメリカは日本の1.5倍なんです!
2017年のデータで、アメリカ製造業の労働生産性(GDP/就業者数)は140,622ドルに対し、日本の製造業の労働生産性は98,157ドル・・・。

価値を上げるには?

価値を上げるために、大まかな方向性は3つあります。

  1. No.1を作る
  2. 高付加価値に集中する
  3. 新市場・新顧客を開拓する

1.No.1を作る

とにかくある市場で他社に負けない技術・製品・サービスでトップになる、です。よく言われるニッチトップのニッチというのは言い換えると大企業が本気で勝負しない市場です。極端な例ではありますが、例えば「漁師のノウハウをシステム化した全自動イカ釣機」を作っている会社がグローバルニッチトップ企業100選に選ばれています。大企業がイカ釣りに本気にはなりにくいでしょう笑。

エリアでNo.1や、最初に立ち上げたサービス、などでもいいです。No.1を維持できるところ(市場が変わらない、大企業が参入しない/参入してもその前に基盤を築ける)を見つけ続け、維持し続けることが重要です。

どこの何でNo.1になるかも重要で、基本的にはマネできない技術を目指す方がいいです。応用が利きますし、技術は特許で守れますし、技術者の育成は簡単にできません。ただそれ以外にも、他社がマネできないレベルの超短納期や超フレキシブル対応などでもNo.1になれます。

2.高付加価値に集中する

No.1になれば敵より強いので交渉力が強くなって価値が上がるのですが、それだけでなく高く売れるものに専念することも重要です。私が取締役をしていた辰巳工業では、いくつかの金属の鋳造をしていましたがステンレス特殊鋼に特化しました。単純に同じ時間で安いモノを作るのを辞めたんです。かなりの抵抗・抵抗感がありましたが、やり切る意思と覚悟と仲間と作戦で必死に乗り切ったところ、現時点では成功と言える成果を得られています。

3.新市場・新顧客を開拓する

要は、同じものでももっと高く買ってくれるところを探す、です。一例ではありますが、中長期的には海外の顧客、しかも一品モノを高く買ってくれる開発市場は超重要攻略市場になると考えています。

また普通に常日頃から、この技術を高く買ってくれるのは誰かを考え続けることが必要です。目先の顧客に買ってもらうことではなく、誰が高く、がポイントです。そのためには違う業種業界の人など、いつもと違う人と会って懲りずにアイディアのぶつけ合いを続けるしかないと思います。

①~③をやるのに共通して大切なのはブランディングです。まずは本当の自社の強みを明らかにすることから始めるべきで、これは明日からでも始められます。

労働量を減らすには?

労働量を減らすために、大まかな方向性は2つあります。

  1. 徹底して自動化する
  2. 他の中小企業と組む

1.徹底して自動化する

当たり前のことの確認ですが、付加価値がある業務って加工とかごくわずかですよね。検査すら基本的には価値がなく、運搬も当然ないですし、間接業務は全部付加価値を付けているわけではありません。モノに価値を付けることと、企画などクリエイティブなもの以外は付加価値がないです。ないけどやらないとダメな業務を中心にどんどん省力化・自動化を進めるべきです。

そのためにはITが重要になりますが、中小製造業は一般的にITのリテラシー(適切に理解、解釈し、活用する能力)が異様に低いです。ホームページやSNS・ブログを使ったブランディング、発注の自動化、経理業務や人材管理業務の最新ツールの活用、コミュニケーションツールの導入、動画の活用などなど・・・。

こちらのカオスマップを見てください。こんなに色んなツールがあります。選べないという声もよく聞きますので、機会があれば重要なツールはご紹介したいと思います。カオスマップのコラボレーション欄のツールについてはこちらの記事を参照ください。

SaaS市場規模・トレンド徹底解説!SaaS業界レポート2018(1万字超/カオスマップあり) – SaaS業界レポート by ボクシル | ボクシルマガジン
SaaS比較サイト「BOXIL(ボクシル)」を運営するスマートキャンプは、2017年に続き「SaaS業界レポート2018」
boxil.jp

先日取材した伊藤鉄工さんではPowerAppsというアプリ開発ツールとsharepointというコラボレーションやドキュメント管理等を使い、CKボーリング工具選定を自動計算しておられました。伊藤社長は色んな省力化のツールを自分で試して使っておられます。工具選定に関してはこちらのブログに書かれていますので、興味があれば見てください。

今回は割愛しますが、ITツールの前に基本的には業務をシンプルにすることが大切です。日々の改善がものを言うので、工程だけでなく様々な業務を改善しましょう。

2.他の中小企業と組む

特に間接業務はバラバラでやると非効率ですし、マーケティングもバラバラでやるよりまとめてやる方が効率的ですし、小さい資金を細かく使うより大きな資金を使った方が資金効率もいいです。小さいままで独自に付加価値がない業務をやっていると自然と非効率になります。

ハッキリ言いますと、競合や親和性の高い会社を買収したり買収してもらった方がいいんです。事業承継が大きな課題となっている会社はいっぱいありますよね。そういうところとくっつくことをオススメします。

買収はすぐできるような話ではないですが、提携などは割とすぐできるはずです。

町工場をグループ化して成功した由紀ホールディングスという企業があります。由紀ホールディングスさんのことはこちらの記事が分かりやすいです。

3代目の挑戦 町工場をグループ化、世界で戦える企業群に経営危機にあった町工場が起死回生、航空宇宙・医療関連への思い切った業種転換で、10年で売上を4倍にした。由紀精密の大坪正人www.projectdesign.jp

こちらは価値を上げる方に既に進んでいますね。町工場をグループ化することを、高付加価値戦略とブランディングとオープンイノベーションに繋げている非常に希有な事例です。

組合組織はいたるところにありますが、労働生産性を向上させることを本気で狙っている組合はほぼないと思います。労働生産性が上がる提携の枠組みや方法ができれば、価格交渉力まで上がります。最初はまず共通業務の省力化やマーケティングの共同実施からスタートし、例えば海外取引の翻訳者や海外拠点の共有など、色々協力すればいいですね。労働生産性を上げる工夫が共に出来るパートナーを見つけましょう。

まとめ

労働生産性を上げることは、中小製造業の経営上ものすごく重要です。海外取引を含めて「No.1になり、高い技術などを高く買ってもらう」ようにし、一方で「IT・IoTツールを使っての省力化」と「他社との労働生産性を上げるための提携や買収」を今すぐ考え始めましょう。

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