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製造業の5つの重要なトレンド

今後のトレンド

コロナ禍で先が読めない状況ですが、今後の世の中の技術的な大きな流れはコロナ以前と大きくは異ならないと思います。特に製造業界では10年先がどうなるかの長い目での動向にアンテナを張る必要があります。

ここで一度、コロナ以前の考えも含め、アメリカで考えらえていた製造業界の5つの重要なトレンドについてみていきたいと思います。

 

1. グローバル・バーチャル・ワークフォース  – 拡張現実とインターネットの融合

製造業者は、ますます技術的に高度化する職場で働く、STEM教育を受けた従業員を見つけるのに苦労してきました。しかし、世界中のビジネスに利益をもたらすソリューションがでてきています。それは、拡張現実(バーチャルリアリティ、拡張現実、混合現実、拡張仮想現実など)にてグローバルで相互接続しながら融合することです。

製造業は、現実世界と視覚および聴覚を融合させたコンピュータ生成環境を利用することで、すでに恩恵を受けています。10 年以内には、XR を通じて、世界中の熟練した労働者が、製品の設計、エンジニアとの作業が、例えばアメリカベースの機械や機器の操作やメンテナンスをバーチャルに行えるようになります。言い換えれば、世界中の労働者が、グローバルに接続されたバーチャル・リアル・ショップの現場で働くことになるのです。

これはコロナ禍以前にも唱えられていたことで、非接触化、リモート化が加速するアフターコロナではこの拡張現実によるリモート操作は進むと考えられます。

2. 人間の脳と機械をつなぐ

人間の脳と機械をつなげるというコンセプトは、AIの進歩により、人間はいずれコンピュータと融合しなければならない、あるいは無関係になると予言したことで有名なイーロン・マスクにより高いの関心事になっている。彼は単なる予測で終わることなく、重度の脳疾患や脳卒中による脳損傷の治療を短期的な目標として、植込み型の脳コンピュータ・インターフェース(BCI)を開発するために会社(Neuralink)を設立しました。

このコンセプトは製造業にとって大きな意味合いがあるものになります。MITの経済学者デビッド・オーターが考えたように、AIの最大の課題は、人間は人間が説明できる以上のことを知っているということです。判断力、常識、想像力の使い方を説明できなければ、自分の能力を模倣するようにコンピュータをプログラムすることはできないということです。マインド・マシン・インターフェース(MMI)は、人間と機械がお互いの得意なことをリアルタイムで補完し合うことを可能にします。サイボーグは遠い未来の一部かもしれませんが、今後10年以内には、機械と人間が文字通りお互いに協力して、より良い設計で、より良い製品を製造するのに役立つようになると考えられます。

 

3. ナノベースの予防保全

1966年の映画「ミクロの決死圏」では、政府が潜水艦の乗組員をミクロのサイズに縮小し、負傷した科学者の脳を修復するために彼らを体内に撃ち込むというSF映画がありました。量子物理学と医療のデジタル世界が融合した今、SFが現実のものとなってきています。例えば、UC-サンディエゴのエンジニアは、長さ500万分の1メートル以下のナノボットを開発しており、血流の中を「泳ぐ」ことができ、最終的には粒子の除去や組織の修復に使用されることになります。

超小型のAI対応ロボットを工場のシステムや設備に配置できるようになるのは、はるか先のことかもしれません。しかしすでに、エンジンメーカーのロールス・ロイスは、エンジンの燃焼室内の予知メンテナンスに直径10mmの小型ロボットを使用しています。ナノ粒子は1メートルの長さの100万分の1であるナノメートル単位で測定されますが、これはナノボットの使用が予知保全だけでなく、欠陥を検出して機器が故障する前に実際に修理する予防保全にまで近づいてきていることを示しています。

ナノボット

4. モノのインターネット - 地産地消と地場流通

MAPIが発表した研究の中で、マイケル・マンデル博士は、モノのインターネットが製造業にどのような影響を与えるかについて、新たなビジョンを提示しています。マンデル氏は、Amazonが開拓したEコマースのフルフィルメントセンターの台頭と流通のデジタル化により、製造業が倉庫モデルからより柔軟な流通プロセスへと移行するための新たな道が開かれると見ています。ロボットや3Dプリントによるカスタマイズ性の向上、クラウドコンピューティングの活用により小規模な工場でも新技術を利用できるようになるなど、この「モノのインターネット」は市場を拡大し、生産地域の地理的な変化をもたらす新たなビジネスモデルが創出されることになります。

 

5. 指数世代のリーダーシップ

ミレニアル世代(1980年~1999年生まれ)はその年長の世代がビジネス界でリーダーシップを発揮しつつあるため、注目が集まっているのは当然のことなのですが、製造業が注目しなければならないのは、「指数」世代とも呼ばれる、その次の世代です。世紀の変わり目頃に生まれたばかりで、全国の大学のキャンパスや専門学校に通い始めたばかりの世代です。この世代はスマートフォン、インターネット、バーチャルリアリティ、人工知能のない世界を知らないのです。彼らのテクノロジーに関する知識と能力は、ミレニアル世代のそれを簡単に上回ると思われます。彼らのスキルセットと21世紀のリーダーシップスタイルは、今後数十年の間に米国の製造業が世界的に競争するために必要とされると言われています。

まとめ

アメリカで考え、意見されている製造業のトレンドについてみてみると、コロナの影響で生活が大きく変わりましたが、アフターコロナでもこの5つのトレンドは変わっていません。製造業界もテクノロジー化が大きく進み、そしてその場、その工場にいなくてもリモートで製造活動が行える環境も整ってくるほどグローバル化が進みます。

日本の製造業も日本国内だけを見ていればよいという時代はもう終わりつつあります。いまこの段階でデジタル化とグローバル化を進めていく製造業が今後の生き残れる製造業になってくると思います。

Written by 日比 章善

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