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製造業の企業変革力を鍛えよう

ウィズコロナ以前から企業変革は待ったなしでした。ある意味、新型コロナウイルスのおかげで危機感が出てきて、その一点を見ると日本の製造業にとっては良かったと思います。

2020年のものづくり白書にも「企業変革力(ダイナミック・ケイパビリティ)がカギとなる」という主旨のことが書かれています。企業変革力とは何でなぜ必要か、というところから考えてみて、何をすればいいか考えてみましょう。

企業変革力って?

私の中で「企業変革力」と言えばジョン・P・コッターさんの本です。私が経営コンサルタントになった年に出た名著で、何度も読んで本がボロボロになりました。

この本を私なりに簡潔にまとめると「世界の変化はこれからどんどん激しくなる。変化と競争が激化する環境で変化するには、人と組織の学習を続ける意志と能力と変革の正しい方法論が重要で、企業の成功に不可欠」です。この本を有名にしたのが企業変革の8ステップで、またこの話はいつかしたいと思います。

ものづくり白書で書かれている企業変革力は「企業が技術・市場変化に対応するために、その資源べースの形成・再形成・配置・再配置を実現していく(模倣不可能な)能力」です。もう少し具体的に書くと、以下の3つの力を指しています

1. 脅威・機会を感知する力
2. 感知した脅威・機会に対し、資源を再形成・再配置して競争優位を掴む力
3. 競争優位性を持続可能なものにするため、組織全体を変える力

これを実現するツールがデジタル技術なので、デジタルトランスフォーメーションが重要なのです。

なぜ改めてこのようなことが言われているかと言うと、世界の不確実性が高まっているからです。

世界の政策不確実性指数」というデータがあります。

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このグラフは経産省のものづくり白書の説明ページから引っ張ってきたものです。ブレグジットや米中貿易摩擦の影響は色んなところに出てきていますよね。なお政策が不確実だとグローバル化が逆行します。

世界の政策はあくまで一例です。自然災害、人口動態の変化、自動車のCASE(Connected:車のツナガル化、Automated:自動運転、Shared & Service:シェアリング・サービス、Electrified:電動化)、AIの進化、オープンイノベーションやエコシステム(ビジネス生態系)の変化、などなど大変革レベルのものが目白押しです。同じ物を同じ人たちに売ってるだけで生きていける世の中ではありません。

なので、変化を感知し、変化に対応し、対応を定着させる必要があり、しかもスピーディにするためにデジタルの活用が必要なのです。これが今求められる企業変革力で、中小製造業でも求められています。

変革ってどこに向かえばいいの?

正直、既存のビジネスや事業環境の変化度合いによっても違うので、考え続けるしかないです。ただ、考える視点はご提供できるのではと思っています。

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あくまでも一例ですが、こういった新しい発想の視点や考え方は色々あります。大切なのは以下の3つです。

①時代や事業環境の変化に合わせる
②自社の技術やノウハウを中心に考える
③デジタルを組み込む

一朝一夕では見つからない、思いつかないかもしれませんが、考え続けて仮説が立てばすぐ動くことが大切です。お分かりだと思いますが、待ったなしです。

企業変革力はどう鍛えるの?

企業変革「力」というぐらいですから、鍛えられます。一番は実践で、色々試行錯誤して変革のチャレンジをすることですが、闇雲にやっていてもなかなか身につきません。

①改善活動をする

日頃から改善をしていない企業が変革するなんてムリです。「何かを変えることに慣れていない」ですし、「変革するための土台がない」のです。

企業変革の最大の敵は習慣です。抵抗勢力がなぜ出てくるかと言うと、習慣を変えたくないからです。いつものことをいつもの通りやっているのが一番楽で、変えることはストレスなんです。「変わることが普通」となることが重要で、「めんどくさいけどいつものこと」と現場の人が思える状態でなければ、何かを変えるときの負荷がものすごいことになります。

また、複雑な業務を複雑なままにしていると、自動化やリードタイムの圧倒的短縮など大きな変革なんてできません。例えば、RPA(Robotic Process Automation:ソフトフェアロボットによる業務の自動化)は改善が大前提です。これについてはまた別途詳しく書きます。

改善が文化になっていない企業は死を待つのみです。

②デジタル化を進める

業務のデジタル化は進めましょう。こちらもまた別途書きますが、デジタルトランスフォーメーションとデジタル化は概念が違います。しかしながら、デジタル化が進んでいない・デジタルに関するリテラシーが低い企業は、変革が難しいのは当然です。不謹慎な表現ですが、ある意味、新型コロナウイルスは日本にデジタル化の遅れを気づかせてくれたいいきっかけになったと思います。テレビ会議、ファイル共有、スケジュールとタスク共有、チャットツールといったものの導入や紙の廃止など進められることは進めましょう。営業活動もプラットフォームを使ってデジタル化はできます。

まとめ

簡単に書いてしまっていますが、企業変革力を鍛えることも大変です。私は欧米で標準となっている改善や企業変革の方法論であるリーン/シックスシグマを色んな企業に導入してきました。簡単に導入できた会社なんて1社もありません。しかし、方法論を使って文化としなければ、この変化の激しい時代に生き残れません。

また、製造業のデジタル化は喫緊の課題です。未だにFAXの会社も多いですが、来月からFAXは廃止しましょう。印鑑の数も減らしましょう。これらが短期間で実現できない企業は危険です。

改善やデジタル化で困っている企業は是非ご相談ください。一緒に変化を乗り切りましょう!

Written by 辰巳 竜一

中小製造業を応援しています! 辰巳工業株式会社元取締役、中小製造業向け経営コンサルタント(株式会社ヴィサイプ代表取締役)。家業の鋳物工場の成長させた実績から、現在は中小企業のブランディング(国内および海外)や事業戦略から現場改善への一連の統合した活動を支援。

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