in ,

株式会社マルマエ 前田社長に聞く、『半導体市場の今後、マルマエの未来』

半導体製造装置の心臓部をつくる企業

 

-マルマエがどういう企業かを教えてください

 

マルマエ 代表取締役社長 前田俊一 氏

私どもマルマエは、産業のコメといわれる半導体とFPD製造装置の部品を開発・製造している会社です。

手のひらに乗る大きさのものから数メートル規模の大きなものまで対応しており、主に製造装置の心臓部ともいわれる真空パーツを製造しています。

半導体製造装置の部品を製造する事業に参集した歴史は比較的新しく、本格的に参入してから10年も経っていません。

 

デジタルトランスフォーメーションが半導体需要を爆発的に拡大させる

 

-貴社の主力ドメインである半導体市場は今後どうなっていくとお考えですか?

 

通信方式の5Gへの移行が本格化し、大容量高速通信の時代が現実のものとなってきました。

これからの時代は、大量のデータが通信によりつながり、クラウドに保管され、保管されたビッグデータはAIによって活用され、多種多様なサービスが発生するようになります。

「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」 “デジタルトランスフォーメーション”と呼ばれる時代がもうそこまで来ています。

つまり、クルマ、家、オフィス、工場など、社会全体がスマート化するということです。

そうなると、従来の何倍ものデータが流通するようになります。その大量のデータを処理したり保管する必要が生まれるので、半導体はより高性能化されるとともに、半導体需要が爆発的に増えるのは間違いないと考えています。

一昨年、半導体市場が大きく伸びました。その要因の一つは、SSDやサーバーに利用される3D NANDの需要が大幅に増えたことがあります。

従来型の 2D NAND チップは、すでに限界まで高密度になっており、これ以上のデータは保存できません。一方、3D NAND は、チップを垂直に積み重ねることで、2Dチップの何倍ものメモリーを格納することができ、大量のデータを保管、処理することができます。

これは、従来上に高性能な半導体のニーズが高まっていることを証明したものだと思います。

 

技術力と生産性の高さでシェアを拡大

 

-マルマエの競争優位についてお聞かせください

 

半導体製造装置の部品をつくることは難しく、つくれる企業も多くありません。中でも、日本に残っている分野はさらに難しい分野であるため、技術的な難易度、それ自体が参入障壁となっています。

したがって、半導体部品メーカーは装置メーカーと協力しながら装置を作り上げるというやり方が多くなり、ほとんどの競合企業がひとつの装置メーカーに依存しています。

一方、当社は、もともと、オートバイ部品や産業用タービンブレードの製造、金型やFPDの部品の製造を経て、半導体製造装置の部品をつくるようになった経緯があります。

そのことによって私どもは、様々なお客様とお付き合いさせていただくことが出来ましたし、様々なモノづくりを経験することで、幅広い技術力を蓄積するに至りました

この企業としての歴史が、「技術を高めることで他社にできないモノをつくる」「生産性を高め他社よりも良いモノを早くつくる」といった考え方をどこよりも強くしたのだと思います。

私たちマルマエが、半導体製造装置部品製造の後発メーカーながら、複数のお客様と取引させていただき、シェアを伸ばしていくことができているのは、こうしたことにあるのだと思います。

 

新型コロナウイルスの影響は軽微

 

-新型コロナウイルスの影響はどうお考えでしょうか?

 

私どもが属する半導体製造装置の市場は、素材から部品製造まで、ほとんどが日本で完結しています。

その意味では、つくることに関しては、新型コロナウイルスの影響はほとんど受けないと考えています。

実際、現時点においても半導体メーカーは、将来の需要拡大を見越して半導体製造装置の発注を止めていないようです。

もちろん、半導体ユーザーである自動車業界の中国生産が停滞しているなど、少なからず影響はあると思いますし、消費者の心理的な問題もあると思います。

今後数カ月は、私どもに限らず、あらゆる業界で経済活動が制約されるのはやむを得ないことだと考えています。

しかしながら、先ほど申し上げた通り、デジタルトランスフォーメーションは既に始まっており、中長期的に見れば、半導体の需要が減るということは考えにくく、その意味では、半導体製造装置に部品を供給する私どもも高い成長が見込めるものと確信しています。

 

技術を突き詰めないと製造業は生き残れない

 

-日本の製造業の未来についてどうお考えでしょうか?

 

技術を大事にすれば、日本の製造業はどこにも負けないと思います。ただし、現状を良しとしていては、飛ぶ鳥を落とす勢いの海外企業には勝てません。

数年前、日本の製造業がいっせいに海外に出たときも、量産品は海外、試作は日本ということで始まりましたが、今となっては、試作に関しても海外で行われることが多くなってきました。

どの国の製造業であれ、技術の歩みを止めたら、一気にやられてしまうことになると思います。

半導体製造装置業界は、“Change Control、Copy Exactly”の旗印の下、極めて高い品質と再現性を求められる業界です。半導体製造装置産業が海外に流出せず日本に残っているのは、装置メーカーの厳しい要求に、私どものような日本の製造業が対応してきたからにほかなりません。

日本企業、海外企業に関わらず、製造業である限り、技術的に突き詰めていくしか生き残る道はないと思います

 

究極の技術でお客様の困りごとを解決する

 

-最後にマルマエの今後についてお話しください

 

私たちマルマエの属する半導体・FPD製造装置の業界は、景気の変動によるアップダウンはあると思いますが、今後数年間にわたり、極めて高い成長が予想されます

2030年の半導体市場は今の倍、つまり100兆円規模になるという人もいます。

半導体製造装置業界は半導体市場の動向に連動しますから、相当の高い成長が期待できると思います。

従来、半導体市場はPCやスマートフォンの影響を大きく受けました。しかしながら、今後はIoTや5Gにより爆発的に増えるデータ量のインパクトのほうが大きくなるため、かつてのシリコンサイクルのような変動は少なくなっていくのではないかと考えています。

そういう時代になると、半導体需要は量的な拡大と半導体の高性能化という質的な拡大の二つの要素を伴って成長していきます。

当然、私どものような半導体製造装置の部品メーカーは、量的な拡大の追い風は受けますが、一方で、技術革新への対応ができる企業であることが必須条件になっていくと考えています。

私たち、マルマエは、当社の理念である「究極の技術を目指す」ことで、高い成長を達成できると確信しています。

 

※この記事は2020年3月のインタビューをもとに作成しています

 

【参考】

主な事業分野

http://www.marumae.com/jigyou.html

経営理念、経営品質・方針

http://www.marumae.com/com_4.html

IR情報

http://www.marumae.com/ir_9.html

Written by 栗本義丈

アルファ・ファンクション㈲ 代表

What do you think?

製造業は外食業から学べ:ICT化

Exhibition

アフターコロナのオンライン展示会の活用