in

未だ知られていない?問題解決でのロジカルシンキング

最近、「論理的に資料を作りましょう」と言っている人が論理的な資料が何かを説明できない場面がありました。ロジカルシンキングが日本で言われてもう25年ぐらい経ちますが、未だこんな状況かと再認識しました。これはたまたま出くわした場面でしかないかもしれませんが、言った側も言われた側も分かっていなかったので、書こうと思いました。

私は今は亡きジェミニコンサルティングからジェネックスパートナーズを立ち上げた約20年前からロジカルな問題解決をコンサルティングや研修で実践的にひたすら教えてきました。その問題解決オタクからの説明を読んでみて自分なりにロジカルシンキングとは?を説明しようと考えてみていただければと思います。

ちなみに「論理的な問題解決とはどういうことか」という問いにシンプルに説明できない問題解決型コンサルタントはクビにしていいと思います。別のところに得意分野があるのかもしれませんが、問題解決のプロじゃないですね。

説明の前提

一応理系ですが、論理学とか語るつもりはありません!なので演繹法帰納法といったことも今回は無視です。思考法を鍛えることには賛成ですが、ここでは「問題解決のため」のロジカルシンキングの「シンプルな考え方」に焦点を当てます

「ロジカルシンキング=論理的思考」ですよね。論理「的」なんです。完璧な論理はムリですし、そもそもそこまでは問題解決に必要ありません。意思決定を間違わない程度の論理的な考え方ができればいいのです。

また、ロジカルシンキングは決して万能ではありません。発想を広げたり考えるより動く方が大切な場面はたくさんあります。なので、必要な場面で使えるようになっていればいい、と私は考えます。問題解決の場合、その場面が多めなんだと思います

こういったことを前提に読んでください。

問題解決におけるロジカルシンキングとは

問題解決におけるロジカルシンキングとは、「課題・問題・原因の全体像因果関係を押さえる考え方」です。キーワードの【全体像】と【因果関係】だけ覚えていればいいです。

全体像は、MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:モレなくダブリなく)に代表されるように、モレなく全体を押さえることです。

因果関係は、なぜなぜ5回に代表されるように物事を掘り下げることで、なんとなくではなく関係性が明らかな状態で掘り下げます。

問題の原因を探るときに、「木を見て森を見ず(全体像を押さえていない)」だと大きな原因を見逃す可能性が大きくなりますし、「風が吹けば桶屋が儲かる(因果関係が薄い)」であれば間違った原因にたどり着くこと間違いなしになります。

なぜロジカルシンキングをシンプルに言える必要がある?

ロジカルでなければ判断や意思決定が間違える確率が高いです。なので、先ほど書いたように万能ではないですが、使えた方がいいです。

また冒頭に書いたように、「ロジカルに」とか「論理的に」とか言う人がいますが、言われた側がロジカルシンキングを知らなければ何をすればいいか分かりませんし、そもそも言った側もロジカルの意味を誤認していたら大混乱です。

私は基本的に「ロジカルではない」といったフィードバックはしません。そういう抽象的な正論っぽく見える言い方で相手の上に立とうとするのはダメですね。

実例にもとづいた問題解決におけるロジカルシンキングのイメージ

これまでの解説をイメージしてもらうために、実例を紹介します。

以下は手を加えていますが、「輸送費削減プロジェクト」で作成したロジックツリーというロジカルシンキングを表現するためのツールです。

画像1

実際のプロジェクトであった話ですが、最初担当者に聞くと「需要予測がボロボロなのでAir(航空便)になるんです」と言われていました。工場長は「調達がちゃんと管理していない」という考えでした。どちらも結果的には正解で、このような初期仮説は非常に重要です。この勘と経験の仮説がなければ問題解決のスピードは遅くなります。

ただ、それだけでいいのか、本当に合っているか疑問視している人はいたんですね。結果的に図の「3-1仕様変更が発生する」も結構多かったですし、1-3-1、2-1と合わせると営業サイドの話が多かったんです。

また、需要予測に関しては、詳細な原因と航空費の因果関係が簡単には掴めず、そもそも需要予測に正解はないのでどうしようかと議論し、結果として他を改善すれば目標達成できるので、別途検討(後回し)することになりました。

最終的には、①輸送方法の初期値の設定変更プロセスの構築、②受注時の納期基準とプロセス見直し、の2点を検討することになりました。

この例での全体像・因果関係という意味でのポイントは以下の2点です。

  1. 図の「3発注後に・・・」が当初仮説では上がっていなかった
    ⇒ 全体像を把握したからわかった
  2. 需要予測の仮説は最重要ではなかった
    ⇒ 因果関係と全体像を確認したからわかった

※現実はもっと詳細なプロセスを確認したりデータを分析しています

まとめ

今回の目的は、問題解決におけるロジカルシンキングとは何か、をわかっていただくことでした。自分なりの説明を考えていただければと思いますが、全体像・因果関係という2つのキーワードを覚えていただければと思います。

実際の活用時には、ロジカルにこだわりすぎない方がいいです。改善はスピード勝負で、全体像を押さえたりロジカルにするのは「急がば回れ」が目的です。

最後に、言葉に踊らされている人が多いので、ロジカルという表現はフィードバックする時には使わない方がいいですね。

オマケ

オマケですが、ロジカルに問題解決するためのキーワードをご紹介します。ちゃんと自分なりの問題解決のやり方を整理しようとする方のために、あくまでも参考までにしてください。

・仮説検証:仮説を立てて検証しながら進める。仮説の棄却は前進と思う
・フレームワーク:枠組みで全体像を見る。どんな枠組みを使うかは目の付け所
・プロセス:全体像・因果関係両方を押さえるために使う。プロセスを改善したいから常にプロセスの視点は持つべし

Written by 辰巳 竜一

中小製造業を応援しています! 辰巳工業株式会社元取締役、中小製造業向け経営コンサルタント(株式会社ヴィサイプ代表取締役)。家業の鋳物工場の成長させた実績から、現在は中小企業のブランディング(国内および海外)や事業戦略から現場改善への一連の統合した活動を支援。

What do you think?

プロセス改善は「プロセス憎んで人を憎まず」

中小製造業へ向けた情報セキュリティ講座_その8_認証について①